戦後50年をふりかえって
仲 原 源 三
饒辺区戦後復興50周年記念式典を挙行されました事を心よりお祝い申し上
げます。
饒辺区は戦中より具志川市高江洲、与那城町大道原、西原へと移動させられま
した。昭和24年に帰る許可を得る事が出来ましたが、ふるさと饒辺は米軍の
ブルドーザーにひきならされ、以前のたたずまいは面影もなく、これが自分達
の住んでいた饒辺なのかと、ただ茫然として何から手をつけていいのか分りま
せんでした。地面は3尺も埋めつくされ一面は原野の状態でした。まず手がけ
たのが各世帯の地割です。津裏山松氏、金城マチェ氏と測量の講習を受け、
責任をまかせられました。
区の南の馬走にただ一本残っていた松を重点に資料は桃原の上地氏が持って
いた一枚の図面とカラハイ、その他は手作りの道具での仕事開始でした。
人手不足もあり、ちゃんとやっていけるものかと責任と苦悩の毎日で脹れない
日もありましたが、区長の大城全永氏、富里繁氏や区民の協力の元、半年位か
かって約100世帯の地割も出来、どうにか移動出来るようになりました。
私は餞辺に生を受け90余年になりますが、戦後復興50年をふりかえって
みますと何もない苦難からの出発で良くもここまで発展したものだと思います。
これから21世紀に向い、饒辺区がより一層発展していくものと祈念申し上
げます。
平成11年11月20 日