祝 辞
与那城町長 前上門 正 進
本日ここに、饒辺区戦後復興50周年記念式典が挙行
されるにあたり衷心よりお慶びを申し上げるとともに、
先の大戦において、尊い人命を失った多くの区民の皆様に
哀悼の意を表します。
本県は、我が国唯一の地上戦が展開され、県土は焼土化し、
途方に暮れる苦しい日々を送ってきました。
ところが県民の持ら前の勤勉性と努力により、幾多の困難にも怯むことなく、克服
し、今日の繁栄を築いてこられたことは、皆様の衆目のとおりであります。
顧みますと、饒辺区も戦中、戦後にかけ郷里を追われ疎開先を転々と移動する悲惨
な生活を余儀なくされました。
特に昭和20年には米軍の上陸とともに、土地は不法に接収され、集落は跡形も無
く破壊され、強制的に移動させられました。昭和24年、西原区での疎開生活を最後
に帰郷が始まり50年を経た今日では、平静を取り戻し、輝かしい進展を見るに至っ
て居りますことは、ご先輩の復興に向けた血の蓼むご苦労があったものとご推察を申
し上げるとともに、ご労苦に対し改めて深甚なる敬意を表します。
饒辺区は現在、1,200名余の人口を有した本町、中核自治会として生活基盤、生
産基盤も充実し、区民の融和の中で自治会活動を積極的に展開され、社会に多くの有
為な人材を送り出し、県内は勿論のこと世界各地に雄飛され、各種分野でご活躍され
ていることは、誠にご同慶に絶えません。
どうかこの50周年を機に、区民がますます一致協力し、平和で豊かな住みよい饒辺
辺区の建設に邁進されますよう念じてやみません。
また本日、饒辺区の戦後復興発展にご尽力されました戦後歴代区長はじめ、功績の
あった皆様、受賞誠におめでとうございます。今後ともご壮健でご活躍あられること
をご期待申し上げます。
終りに饒辺区復興50周年記念にあたり、記念事業として「饒辺平和めをと獅子」
「饒辺区大綱曳き」「組踊、姉妹敵討」の3年計画事業は、大変画期的、かつ評価され
る事業であり、区民が21世紀に向けた自治振興にかける意気と団結を強く感じると
同時に本町の教育文化の振興に大きくご貢献するものと確信をいたします。この企画
運営に当られた関係者各位に感謝を申し上げるとともに、本式典のご盛会と、当区の
限りないご繁栄とご参会の皆様方のご健勝、ご多幸を祈念申し上げ祝辞と致します。
平成11年11月20日